D. SXR 電力むかしばなし
その 5: Oslo のみなとみらい

もう 20 年以上前の Oslo 港。 向こうに見えるのは王宮。 そのずっと前にも造船所の見学で来たことがあるが、もうその造船所はなかった。 今の横浜のみなとみらいと同じだった。
これは Oslo 近くの町で、大型変圧器の検査のため、 3 週間の予定で顧客と同行したときのもの。
工場に着くとがらんどうのでっかいタンク以外は何もない。 受電変圧器と炉用変圧器が一体となった複雑な変圧器なので、3 週間で試験まで終えるというのが信じられない。 顧客もえーという感じであった。 よく聞くと 3 シフトだから問題ないとのこと。 つまり、3 交代で 1 日 24 時間稼動しているので、日本の 9 週間相当だ。 3 交代と聞くと明治の紡績工場のようだが、たしかにヨーロッパの重電メーカーでは普通のことだ。
朝工場に行くと、昨日の作業よりよほど進んだ状態で物事が進んでいるのがわかる。 各シフト間の引継ぎに問題がなければ、重電機器でも大丈夫のようで、予定通りに試験を終えた。 おかげでめずらしい外鉄型変圧器の巻線開始から試験まで全工程を見せてもらった。
これとまったく同じことが、アメリカの変圧器工場へ試験の立会いで行ったときにあった。 この時も同行の顧客は当初、スケジュール管理には心底心配されていた様子だった。